大学進学
Nさん
男性
11.法政大学経営学部経営学科進学
- 他合格校:法政大学(文学部)、多摩大学(経営情報学部)
- センター試験3週間前からの猛勉強で現役合格!
- 先生との出会いは小4の時です。当時は私立に通っていて、国数英は進度を進め、中学レベルを指導してくださいました。勉強以外にもいろいろな話を聞いてくださり、その後中学高校と長い間お付き合いしてくださいました。私がクラスとトラブルを起こしたことを機に高2で退学し、その後娯楽施設に入り浸っていたようなときも、先生は自分の部屋まで来てよく話を聞いてくださいました。そのころ、親の関係で芸能界入りという流れになりつつある中で、当時付き合っていた彼女と法政大学に行くことを決心し、それからはほぼ毎日のように学習にお付き合いいただきました。時には朝9時から夜中の12時までぶっ通しでお付き合いいただいたこともあり、そのおかげで大学に合格できたと思っています。今までありがとうございました。
- 自分を取り戻していくNさんの姿に喜び!
- [保護者様より]明日はいよいよ最後の、そして最も本人のいきたい学部の試験日となりました。息子が頑張っているので、できることなら法政に行かせてあげたい気持ちはありますが、私にとってはこの一ヶ月と少し、息子が日増しに自分をとり戻していくようで、そのことの方がずっと嬉しく、私は日溜まりの中にいるようで、その幸せを噛み締めていました。三条先生と一緒に勉強してきたことが、息子の精神的な柱となっていたように思います。本当に親身なるご指導賜りまして、心から御礼申し上げます、息子にとっては、慕い続けるお兄さんのような存在なのでしょうか、ずっと繋がっていられる人と思っているようで、これからもご迷惑でしょうがよろしくご指導のほどお願い申し上げます。本当にいろいろとありがとうございました。
- 才能を開花させていた時代
- [代表より]Nさんは一人っ子で、初めて担当した当時は、都内の有名私立小学校に通っていました。実は私が指導を担当した小4以前より、私の母からフランス語を教わっていたので、Nさんのことは知っていました。当時は小4にしては背がとても高く、所属するリトルリーグでは、小5の時点で4番ピッチャーという不動の位置を確立していました。スポーツ万能、学校の成績も優秀ということで、周りからは一目置かれるような存在でした。また、いろいろな業界の大人の知り合いも多く、コミュニケーション能力も優れ、私も大学生くらいの人と話しているような感覚でした。私は、Nさんが中学を卒業するあたりまで学習指導とカウンセリングで関わっていました。授業以外の付き合いもあり、文化祭に招待してもらったり、ご家族のお食事会にも何度かお誘いを受けたりしていました。
- 不登校になりゲーセン通い。サポート校に編入。
- こうして順風満帆だったNさんでしたが、高1の冬あたりから急変してしまいました。ある日お母様からのお電話で、「息子が学校を辞めて、ほぼ毎日ゲームセンター通いをしている状態なので、一度息子と会って頂けませんか。」とのことで、一瞬耳を疑ってしまいました。数日後Nさんに会ってみると、以前とは別人のようにチャラくなっていて、部屋の本棚には、結構グロテスクな描写のマンガ本が目立つようにして置いてありました。カウンセリングを行ったときに、Nさんは、「今自分は何か暗黒のベールのようなものに包まれていて、自分の意志ではどうにもできない状態」と言って、まるで自分には非がないというような素振りでした。このようなNさんの有様は、生粋の江戸っ子気質のお父様には到底理解不能であったようで、何度か殴り合いにもなったそうです。お父様は、30年以上芸能関連会社を経営されている方なので、そんな体たらくなNさんを、このまま芸能界に入れてしまうことも考えていらっしゃったようですが、「これから芸能界で長く生き残っていくためには、ある程度の大学は卒業しておいたほうがいい。」とおっしゃっていたので、私は高卒認定試験に対応したサポート校への入学を勧めました。それからNさんは無事?サポート校に入学し、気の合う友人もでき、しばらくは落ち着きを取り戻して、一件落着したかのように見えました。
- 母親が実家に戻ってしまい、家庭が崩壊。大学受験を決意。
- しかし高3の年末に、Nさんから、「ご無沙汰しています。先日母が『もうこの家は終わりなんだから』といって、半狂乱になって家を出て行ってしまいました。今母は実家に戻っていて、叔母いわく『母はホントに危ない状態』とのことです。包丁騒ぎになったときはさすがに参りました。食事は毎日冷凍食品か、父が慣れない手つきで目玉焼きを作るくらい。こうした原因は自分にあることは間違いないけど、今後もこうした生活が続くと思うと胸が痛みます。大学を受験するので授業をお願いします。」という依頼が入りました。私は、ここまで事態が深刻化するとは思っていなかったので、ご家族に対して直接関係修復の手を打つことは、今の時点では無理だと感じていたのですが、Nさん自身、今回のお母様との件でかなりこたえたこと、この1か月ほど前にNさんに法政大学の附属校の彼女ができたこと、そしてその彼女と一緒に法政に入学するという目標ができたことで、心機一転を図りこれまでの自分を本気で改めようとしている様子が見て取れたので、私はご家族をもとの状態に戻すにはこの受験に懸けるしかない、と思いました。
- 3週間で大学受験に間に合った!
- センター試験まであと3週間と迫る中、ほぼ毎日年末年始返上で、法政の合格に向けた猛勉強に付き合いました。日本史は彼が自分で用意した要点をまとめた対策プリントと一問一答問題集などを使い、こちらが読み上げた問題を解答していくという形式で行っていきました。いつしかお母様も家に戻ってこられて、一家は徐々に落ち着きを取り戻していきました。お母様は、Nさんが私と一緒にいる時が一番安心されるようで、そのことをよく心得ているNさんは、お母様に私と一緒に受験勉強に打ち込んでいるという姿を見せて、間接的に許しを得ようとしていたのかもしれません。結果として法政の合格に間に合って良かったです。ありがとうございました。